大陸地続き説

地球上の陸地には、古い地質時代に成立しそれ以来大きな地殻変動がなく安定している陸地すなわち大陸、日本付近では朝鮮半身を含むアジア大陸東部と、最近の地質時代に大きな地殻変動を受けて高所は険しい山地をなす一方海面近くに多数の島が出没するいわゆる造山帯があり、さらにその他に深い大洋底から噴出した火出島、ハワイなどとそれに付着したサンゴ礁の島があります。このうち二番目のグループつまり、造山帯に属する島々は、元々大陸の縁辺にあって地殻変動により隆起沈降を繰り返しているところで、現在島または浅い海底域をなしている部分もかつては大陸と地続きであったことが多くの点で証明されます。調査例では、長崎県の壱岐島地学総合調査の際、ステゴドン、第三紀末期ごろから東アジア・アフリカ一帯に棲息した大型ゾウで、現今のゾヴの先祖とされ、第四紀前半に絶滅の骨や牙の化石が発見され、約500万年前に中国北部に住んでいたステゴドンユーシエンシスと同型のものと分かりました。したがって当時は中国と壱岐島、おそらく日本本土全域までとが陸続きであったと推定できます。また壱岐島の地質は表面に玄武岩の溶岩層がありますが下層の基盤は堆積岩の地層で、その中に魚類や植物の化石が含まれており、大陸との近縁関係が知られています。このように造山地帯の島が大陸と続く構造を持つという大陸地続き説には明白な根拠があって、大陸周辺の造山帯の島の成因を説明する有カな学説となっています。

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