プレートテクトニクス
プレートテクトニクスは地球の内部構造のうち、最表部の地殻とその下のマントル上層部の流動に関して提唱されつつある学説です。地殻は、大陸では30から35キロメートルの厚さを持ちますが、海洋で特に大洋底ではわずか5キロメートル前後にすぎず、大洋中央部にある海底の山脈、海嶺の所でやや厚く、海嶺から左右へ向ってゆっくりと動いていることが分かりました。この動きはマントル上層部における熱的対流と一致した運動で、海底地殻は海洋の周辺すなわち大陸との接合部に近い海溝の部分まで移動し、そこで大陸地殻の下にもぐりこむような動きに変ります。このような動きはマントルの対流現象に起囚するもので、地殻はマントル上層と一体となって板、プレート状をなし、一緒に大洋底を中央海嶺から周辺に向って広がるように移動しているとみられます。ただしその動きの速さは大西洋の中央からアメリカ大陸に達するまで一億年のオーダーを費す程度の緩慢なものです。太平洋や大西洋には海領や海溝の存在が知られていますが、これらの海領と海溝の間に一枚ずつの板、プレートが想定されます。地殻の構造を板の動きから捉えようとするこの説をプレートテクトニクスと言い、1965年頃から提唱されたものです。海洋底が拡がってゆくように見えるところから、海洋底拡大説という表現をされることもあって、ウェーゲナーの大陸移動説を裏づける材料にもなっています。

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